user's voice OHANA* 坂田さつきさん

－－この仕事を始めたきっかけは？
服飾の専門学校を卒業後、印刷会社に入社し、すぐに辞めて結婚。色々あって、お花屋さんを始めたのは40才手前でした。その当時一緒にいた方と何か始めたいね！という話になった時に「お花じゃない？」と言われたのがきっかけです。
お花を部屋には飾っていたし、嫌いでもなかったけど、「花！！？私が？？」みたいな感じだったんです。でも、後々良く考えてみると子どもの頃の夢はお花屋さんだったんですよね。
その言葉がきっかけで「いいよ～やっちゃう？」みたいな感じで始めました。元々は静岡の鷹匠でお花屋さんを始めました。
母が体調を崩して実家に戻ってくる事になったので、４～５年前実家の一部を改築・リフォームして「OHANA*」を作ったんです。

－－仕事しながら奥深さにはまっていった。
お花の仕事は師匠に全て教えてもらいました。染め花（布を染めて花びらとか葉っぱの形に切る）で自分の結婚式の時のブーケを作ったんですが、その先生にお花に関わる全ての事（レッスンもできる講師としての資格等）を一通り教えてもらいました。 お花屋さんを始めてからも出会いに恵まれていたと思います。ある方のご紹介で東京から卸でお花を仕入れている方をご紹介いただいて、今まで見た事ないような素敵なお花を仕入れる事ができるようになりました。そのタイミングから、お花への関わり方が変わってお花にハマっていったように思います。

－－最初はものまねからでしょ？
お花屋さんを経営した事があった訳ではなかったので、お客様には申し訳ないけど、本当に独学でしたね。 仕事をしながら水上げの勉強をして、ラッピングの仕方も最初は分からないから、色々な写真や素敵な物を見て、真似てみて経営しながら日々勉強していった感じでしたね。服飾関係の専門学校に通っていたから、何かを作ったり、細かい作業が元々好きだったからできたのかなと思いますね。 何でも最初はものまねからでしょ？そこから自分の「じゃあ、これをこうしたらいいな」って自分の物になっていくじゃないですか。でも、自分のお店なんだから、自分の好きなようにして良いじゃん！みんなと同じじゃなくても良いじゃん！って思うようになってから少し気持ちが楽になったように思います。

－－仕事のこだわりは？
「私、お花をいっぱい入れちゃうんです！」 例えば、3,000円位の花束を作るのに20,000円位お花を仕入れないと花束ってやっぱり作れないんですよね。好きなお花を１本ずつ買える訳では無いし、仕入れたお花もしっかり売り切らないと、お花も生物だから煮たり焼いたりして食べるお野菜とは違うから捨てるしかないんです。ドライフラワーになるものなら良いけれど、ドライにならないお花はホントにかわいそうだけどサヨナラしなきゃならない。でもそれってお金を捨ててるようなものでしょ？ だから、予約販売にしたのもありますよね。予約でお花がある時は受けられるけど、お花が無い時には申し訳ないけど、受けられない事もある。

－－父の死が人生の転機ではありますね。
実は、お花屋さんだけじゃなくて実家の仕事（海産珍味の卸）も今は経営しているんです。父が亡くなってから跡を継ぐ形でやっています。
元々私は父の仕事はやりたくないと言っていたんです。できたものを販売する仕事はやりたくないと…でも、創業50年にもなるんです。50年っていったらなかなかだし、お得意様もいらっしゃる。それを放っておく訳にもいかなくて、やる事になったんです。
その時、全部の責任が私の肩にのしかかったんです。責任も何倍にも増えましたね。今までは自分の事だけ考えていれば良かったし、やりたい事をやっていたのに、そういう訳にはいかなくなったのは、考え方を変えさせられた大きな出来事ではありますね。

－－これからやりたい事はありますか？
やっぱり、せっかくこの場所（お花屋さん）があるから、この場所を使って何か違う業種の人と一緒にコラボとかしてみたいですよね。お洋服のコラボとか。全然違う業種の人とのコラボとか楽しそうですよね。
でも、ホントの将来の目標は穏やかに過ごしたいです。