vol. 015
hugm voiceイ草クリエイター
伊藤 知美さん
畳離れが進む中で、畳・イ草に触れる機会を作る事で、新たなイ草の価値、良さを多くの人に伝えたいと活動している伊藤さん。畳の良い香りに包まれながら色々なお話しを聞かせていただきました。
仕事を始めたきっかけは?
--畳離れを目の当たりにして…
この仕事を始める前、不動産の仕事をしていました。そこで、畳離れを目の当たりにしました。畳の部屋は不人気でどっちかっていうと畳の部屋をフローリングに変える仕事をしていたんです。
私自身は実家が畳屋であったからなのか、一人暮らしをする時には畳のある部屋をあえて選んだり、結婚してからもフローリングの部屋に畳を入れてもらったりしていました。なんだかんだやっぱり畳が落ち着くんですよね。
--8年前。
元々父が畳屋を1977年からやっていて、3姉妹だったので後継者がいない中で畳屋が無くなってしまうと思うとやっぱり寂しいなと。
この仕事を始めたのがちょうど、32才くらいの時だったんですが、脱サラしたことに対して友達が普通は驚くかなと思ったんですけど、「やっとやり始めたんだね」って反応でした。
小学6年生の時の卒業文集で女畳屋になって有名になる!と書いてたから驚かなかったみたいです!
初めは手探り
--週末マルシェに出店していました。
畳の作れない私が畳屋さんになるのも…と思い、畳の材料のイ草を使った雑貨を作って、畳の素材を知ってもらえるきっかけになればと思っていました。
元々、ミシンも特に得意でやっていた訳でもありませんでした。でも、素材はある!ならやるしかない!という思いで、最初の内は自己流で始めて週末のマルシェ等に出店していく内に、ハンドメイドの友達も増えて、色々教えてもらったりしながら最初の1~2年は試行錯誤でしたね。
雑貨を作り始めて1年位経った頃に昔の工場の一角に雑貨コーナーを作って販売をしたりしていました。マルシェやSNS等をきっかけに知ってもらい、年間で200件以上のお客様が雑貨を見に畳店にご来店いただけました。
--子供たちのためにも詰め込みすぎないように。
最初の数年は週末の度にイベント・イベントで百貨店の催事等にお声がけいただく事も増えて名古屋や東京に1週間で出張も入るようになりました。子どもが小学生になり行事が増えていき運動会に行ってあげられないとかが増えてくるようになったんです。仕事も大事だけど、子供達の成長は今しか見てあげれないし、もっと大事!これじゃダメだと思いイベントの回数を減らしてもやっていけるようにしたいと思うようになりました。
人を雇用する事は、人のためになる。
--自分のためだけじゃなく誰かのために
卸を増やす事で、生産数も増えていき、1人でやっていくには大変になった事もあったんですが、会社経営している同級生に「人を雇用するっていうのが人のためになるんだよ」と教えてくれて、単純な私は「雇用しなきゃ!」って思ったんです。
仕事量も増えてきたこともあったので、イベントで知り合った方やハンドメイドが上手な方に来てもらって一緒に作業をするようになりました。
ハンドメイドで個人的に販売している子たちだったので、「それじゃダメだよ!」とか価格の付け方とかも怒られながらやったりしましたね。
--始めての夜勤!
忙しくなり、どうにもこうにもならない時、春休みのタイミングで子どもも連れて、子どもにも箱詰め等を手伝ってもらいながら夜勤をしてもらった時があったんです。それが、子どもにとってはすごく楽しかったみたいで、「お母さん、今日も夜勤??」って。できるだけ夜勤にならないようにがんばってるのに、子ども達がはまっちゃったみたいですね。
小さな達成感を積み重ねています!
--ゼロベースのお仕事が多いですね。
素材だけ使いたい!とか、ある商品のこの部分をオリジナルにして欲しい!とか。頼まれる物は多種多様。
そんな中で満足いただける商品を作り上げて、1つずつ達成していく感じがすごく楽しいです。
今回、寝ござのクラウドファンディングをやったのも、熊本にあるイ草の農家さんが畳離れもあり在庫が3年分もあると。そんな状態では、国産のイ草が無くなってしまうと思ったので、現状を知ってもらうためにクラウドファンディングを始めました。
目標の10倍達成する事ができて、本当に多くの方に応援頂き、畳のことを知ってもらえるきっかけ作りが出来たかなと思っています。
寝ござもそうだけど、イ草って夏はすごく気持ちいいし、あせもにも良いんです。匂いや汗も取ってくれたり空気をキレイにしてくれたり、抗菌効果だってあるんです。でも、色々な効果をいちいち言うよりは、ただゴロっとするだけで気持ちいいよねって言う事を知ってもらうためのきっかけ作りをこれからもしていきたいなと思っています。
--雑貨屋さんじゃない。
雑貨を通じて暮らしの中に畳を取り入れてもらう事を一番の目標としてやってるんです。だから雑貨を売る事が目標じゃなく、きっかけが雑貨だったんです。その軸がぶれないように、ぶれそうになった時にはいつでも戻せるようにとは常に考えています。
hugmシリーズを使ってみて
(モニターとしてご使用いただきました)
--hugmシリーズを使ってみていかがでしたか?
香りがすごく良くて、しばらくhugmのシャンプーを使っていて、ちょっと前に使っていたシャンプーに戻った時に、hugmの自然な香りの良さに気づきました。
今まで香りなんて気にしていなかったけど、違うんだって気付くきっかけになりました。
洗っている時のしっとり感もあったし、クレンジングしたみたいにスッキリする感じもありました。
泡だちもすごく良くて、その泡をすぐに洗い流すのがもったいなくて泡でパックもしています。
--娘さんのかわいいお話
子どもには頂いたシャンプーだから使っちゃダメだよって言ってたんです。
ある日娘が、「ねぇねぇ、言わなきゃいけない事がある。」と言い出して、
「この前ね、かぁかのシャンプーのリンスちょっとだけ使ってみた。すっごいいい匂いがしてね。だけどね、使っちゃダメかなと思ってね。でも言わなきゃいけないかなと思ってね。」と。
娘さんにも気に入ってもらえたようです!こっそりじゃなくて思い切り使ってくださいね!
編集後記
インタビュー前こんなエピソードを!
「義理の父に日焼け止めを貸してほしい!と言われ、そんなの持ってないって答えたんです。」確かに、手が真っ黒!!伊藤さんは黒くなるから日焼け止めを塗る訳ではなくいつでも日焼け止めを塗らないらしいんです。そんな伊藤さんに、普通なら日焼け止めを持ってるだろうと思って貸してほしいと言った義理のお父様の方が美容に対する感度が高い!!
そこにいるみんなの笑いが止まらなくなってしまいました。しかし、インタビューが始まると、一気にまじめな伊藤さんに変身!「緊張しちゃうと、まじめになっちゃうんですよね」と。
仕事はイ草のように真面目に一直線に目標に向かって突き進む伊藤さん。
あなたの地元にも伊藤さん手作りのイ草の雑貨があるかもしれません。ぜひ見つけた時には手に取ってみてくださいね。