発酵食スペシャリスト madoiさん

－－どんな学生生活だったんですか？
両親が教師という事もあり、大学は大阪の大学に行って、教員になるために学校に通っていました。その時に調理師専門学校の近くに住んでいたこともあり、アルバイトで出会う人が専門学校の人たちで、飲食の世界に興味を持つ最初のきっかけになりました。
高校の時から付き合っていた旦那さんが21～22歳の頃に潰瘍性大腸炎という病気になってしまって、それもかなり進行していたため入退院を繰り返す生活になりました。時々食べれるタイミングで何かを作ってあげようと思っても、油がダメ、砂糖がダメ等々とにかく食べられない物ばかりだったんです。そんな中でマクロビオティックの食事が良いと耳にして、マクロビの勉強を始めたんです。体にも良いし、一緒に食べるなら美味しい物が良い、身体を作る物は良い物であって欲しいという思いもありました。とにかく治したかったんですよね。

－－食への道へはどのようにして入ったんですか？
地元に戻ってきて、たまたま、カフェの立ち上げの人材募集をしているのを目にして、一生に一度の人生、自分のやりたい事をやりたいからと両親にカフェで働きたいと言うとやっぱり反対はされました。旦那さんも病気になって生きていく上でやっぱり食が一番大事だと思う！と両親を説得し、入社した会社でカフェの立ち上げをやらせていただいたんです。大学時代に勉強したマクロビの知識を元にやらせてもらって、15年間色々な事をその会社で経験させてもらいました。
今でもその経験は生きていると実感しています。

－－発酵食との出会いは？
妊娠を機に子育てに専念しようと思いました。でも、実際に出産後、乳飲み子と２人の生活にノイローゼっぽくなってしまって、喜びもたくさんあるのですが、仕事より苦しいことがあるんだなと思いましたね。自分が食べられない時期があったからこそ、食の大切さを改めて知りました。

そこから、どうにかして甘酒を飲みやすくしたくてレシピ開発をスタートしました。ヨーグルトに混ぜてみたり、フルーツと割ったり、料理に使ったりとあらゆる事をやりましたね。そこから発酵食に興味を持ち始めました。発酵食って良く考えたら、私の好きな物しかなかったんです。お酒も、乳製品も納豆も大好きだ～！って。好きな物の方が突き詰められる！「発酵食」をとことん勉強してみよう、と決めました。

－－madoiをスタートしたきっかけは？
勉強を始めた発酵食がとにかく面白くて、こんな面白い物を一人の物にしておくのはもったいないって思っていました。先生もやりたいと思っていたし、ちょうど良いじゃん！と発酵食の料理教室を開く事にしました。

最初は週１回くらいカフェのスペースを間借りしてスタートしました。甘酒の作り方とか塩麹の作り方とかの教室を始めたら、みんな興味を持ってくださって、今まで7年間教室を開いていますが、満席にならなかった日が一度もないんです！（これ自慢ですっ（笑））
今は1ヶ月毎メニューを変えて開催していますが、リピーターの方が毎月来てくださっています。リピーターの方が多い分、メニューを考えるのは大変ですが、それも私の楽しみなのだと思います。

発酵食に出会ってホントにある意味人生変わったと思いますね。好きなことが仕事になるって、こういう事なんだなって思います。プライベートの境もなく、毎日楽しくやらせていただけるのは通ってくださるお客様のおかげです。ありがたいです。
腰が曲がって、おばあちゃんになっても教室に立ち続けたいと思っています。割烹着を着てね！