お正月&自粛生活で、お腹まわりがどうも重たい……
食べ過ぎているわけではないし、それなりに動いているのに体重が減らない……
この頃、そんなふうに感じていませんか?
もしかしたら年齢とともに下がる「基礎代謝の低下」が原因かもしれません。
今回は、代謝を上げるための5つのヒントをもとに、おいしく食べて基礎代謝を上げられる食材やそのレシピをご紹介いたします。
「基礎代謝」とダイエットの関係は?
まず基礎代謝とは、身体的・精神的に安静にしている状態でのエネルギー代謝量であり、生命維持だけに必要なエネルギーです。
人の身体は骨や筋肉、血管、内臓などでできています。このうち、安静時に最もエネルギーを消費するのが筋肉、逆に最もエネルギーを消費しにくいのが脂肪です。
つまり、筋肉を増やし、脂肪を減らせば基礎代謝は高く太りにくく、ダイエットしやすい身体になります。※
基礎代謝には体内からの熱産生が大きく関与します。その熱産生を担うのが褐色脂肪細胞(かっしょくしぼうさいぼう)です。
成人以降、加齢とともに褐色脂肪細胞が大幅に減少するため、基礎代謝が低下し太りやすくなります。
特に女性の40代以降では内臓脂肪型肥満になりやすく、また血糖コントロールもしにくくなります。するとさらに、熱産生や基礎代謝が低下し、減量が困難になるという悪循環に陥ってしまう可能性があるのです。
※ダイエットをして体重が減ると、基本的には基礎代謝量も減ります。しっかり筋肉を維持して脂肪が減った場合、基礎代謝量そのものは減っていても体重1㎏当たりの基礎代謝量は必ず増加します。
落ちた代謝を上げる!5つのヒント
「まずはストレス対策から!」と米井先生。基礎代謝を上げる生活習慣を教えていただきました。
1. ストレスは大敵!
特に女性はストレスがかかると体内で熱を作る働きを担う褐色脂肪細胞が減少してしまいます。
一番良いのはゆっくり眠ることです。
ストレスがある時は眠りにくいと思いますが、日中の適度な運動、睡眠の1~2時間前にぬるめのお風呂にゆっくり浸かるなどして、質の良い睡眠が得られる工夫をしましょう。
2. 筋肉量をUP!
筋肉量が増えれば基礎代謝は上がります。
筋肉運動がおすすめなのですが、いわゆるマッチョになるためのハードな筋トレではなく、身体の中で最も大きな筋肉である大腿四頭筋(だいたいしとうきん)(太ももの前の筋肉)をスクワットなどで鍛えるのが効率的です。
15分程度のウォーキングから始めても良いです。
3. たんぱく質
食事は総摂取カロリーを気にすることと、炭水化物は少な目にして(ゼロにするなど極端なことはしない)、筋肉の原料となるたんぱく質を意識して摂取しましょう。
50代女性のたんぱく質の摂取目標量は1日61.8~95g。1回の食事で20~30gを摂取したい。
4. 発酵食品
腸内の善玉菌が増加すると酢酸、乳酸、酪酸などの短鎖脂肪酸を産生し、基礎代謝を上げてくれます。
発酵食品にはこの善玉菌を増やす作用があるものが多いので、味噌や食酢、ヨーグルトなど、身近な食べ物で摂取すると良いと思います。
チーズや納豆、ヨーグルトの他に、ぬか漬けやキムチなどもそのままで一品になる立派な発酵食品。
5. 食べる順序
食後高血糖は余った血糖によって肥満を助長し、基礎代謝を下げてしまうことから、野菜やたんぱく質から食べ始めて最後に炭水化物という順番で、食後血糖値をできるだけゆっくり上げる食べ方を推奨します。
たんぱく質も発酵食品も入ったレシピをご紹介
筋肉の原料となるたんぱく質と、腸内環境を整えてくれる発酵食品。
この2つを同時に摂取できるレシピをご紹介します!
材料(2人分)
■豚肉のソテー
豚ロース肉(豚カツ用)・・・2枚
塩麹・・・大さじ2
サラダ油・・・大さじ1/2
■トマトとオニオンマリネ
トマト(2~3㎝角のざく切り)・・・1個分
玉ねぎ(5㎜角のみじん切り)・・・1/4個分
[マリネ液]
砂糖・・・小さじ1
酢・・・大さじ1と1/2
塩・・・小さじ1/2
ごま油・・・大さじ1/2
白いりごま・・・小さじ1
作り方
【下準備】
・豚肉は塩麹を全体になじませて、ひと晩寝かせておく。
・ボウルにマリネ液の砂糖、酢、塩を入れ泡立て器で混ぜる。
ごま油を少しずつ加えてその都度よく混ぜる。
白いりごまと玉ねぎを加え、30分以上なじませておく。
1. 下準備した豚肉の筋を包丁で数ヶ所切り、フライパンに油を熱して、豚肉を入れる(塩麹は豚肉に残ったままで良い)。
焦げやすいので注意しながら、弱火~中火くらいで焼き色が付くまで加熱する。
裏返して中まで火を通す。
2. 下準備した玉ねぎのマリネにトマトを加えてさっと混ぜ、ソテーした豚肉に添える。
材料(2人分)
手羽元・・・4本
鶏胸肉・・・1/2枚(100g)
生姜スライス・・・5枚
にんにく・・・2かけ
白ねぎ・・・1本
もち米(うるち米で代用可)・・・大さじ1(約20g)
水・・・4カップ(800ml)
甘酒(濃縮タイプ)・・・大さじ2と1/2
塩・・・小さじ1
れんこん・・・60g
クコの実 、糸唐辛子・・・適量
※甘酒は濃縮タイプ使用。甘酒の代わりに酒粕をお好みで大さじ1ほどスープに溶いて加えても良い。
作り方
【下準備】
・もち米は洗って30分水に浸し、水気を切っておく。
1. 白ねぎは青い部分を落とし、白い部分を斜めに切る。
れんこんはすりおろす。
2. 鍋に水、手羽元、鶏胸肉、生姜、潰したにんにく、白ねぎの青い部分、もち米を入れて火にかける。
沸騰したらアクを取り、蓋を少しずらして弱火で30分ほど煮込む。(ときどきかき混ぜる)
3. 白ねぎ、れんこんのすりおろし、甘酒、塩を加え、さらに弱火で10分ほど煮込む。
味を見て塩で整える。鶏胸肉はほぐす。
お好みでクコの実を散らし、糸唐辛子を飾ってでき上がり。
ワンポイント
手に入りやすい食材で作る、身体が温まる参鶏湯風鍋です。
手羽元で簡単においしいスープがとれ、栄養価を逃さず摂取できるのが鍋の嬉しいポイント。
材料(2人分)
豚バラ肉(薄切りまたはしゃぶしゃぶ用)・・・200g
塩麹・・・大さじ2
水菜・・・1/2束(約100g)
大根・・・1/4本(約100g)
しめじ・・・50g
水・・・2カップ(400ml)
白だし・・・大さじ1と1/2
レモン・・・1個
作り方
【下準備】
・豚肉は塩麹をなじませて2~3時間おく。
・レモンは塩で皮をよくこすり洗いする。
1. 水菜は7~8㎝幅に切る。大根は火が通りやすいよう、薄くスライスする。
しめじは石づきを取りほぐし、レモンは5㎜厚さにスライスしておく。
2. 鍋に水、白だしを入れて沸かす。沸騰したら塩麹で漬けた豚肉をほぐしながら入れ、アクを取る。
大根としめじを入れてさっと加熱する。
水菜を入れてレモンを並べ、ひと煮立ちしたらでき上がり。
(過熱しすぎると、水菜の色と食感が悪くなる。レモンも苦みが出るので、最後に加えてさっと煮たら、すぐにお召し上がりいただくのがおすすめ)
ワンポイント
塩麹で漬けた豚肉と、シャキシャキの水菜を、熱々のだし汁でさっと加熱して食べる、簡単鍋です。
塩麹の効果で肉質は柔らかく、だし汁に旨みもプラスされます。
材料(2人分)
鶏もも肉・・・1枚
味噌・・・大さじ2
甘酒(濃縮タイプ)・・・大さじ2
酒・・・大さじ2
サラダ油・・・小さじ1
白ねぎ・・・1/4本
作り方
【下準備】
・鶏肉は余分な脂を除き、身の厚い部分に切り目を入れて厚みをそろえる。
味噌、甘酒、酒を混ぜて、鶏肉をひと晩漬けておく。
1. フライパンに油をしき、鶏肉の皮面を下にして、漬けダレごと入れる。
煮詰まって焦げやすいので、水を大さじ3(分量外)を加えて弱火~中火でときどき肉を動かしながら、じっくり加熱する。
半分以上火が入ったら裏返して中まで火を通す。
2. お好みで焼いた白ねぎを添える。
ワンポイント
味噌と甘酒を混ぜた簡単漬けダレは鶏肉、豚肉、魚など、さまざまなたんぱく質の食材と相性良し。
肉がしっとり柔らかく仕上がり、冷めてもおいしくいただけるので、お弁当のおかずにもおすすめです。