公開日
更新日
「きかんしゃトーマス号で行く大井川鐵道の旅」、「奥大井湖上駅より感謝を込めて」など、これまで何度もティーライフ通信で紹介した大井川鐵道が、昨年9月の台風15号による被災で川根温泉笹間渡(ささまど)駅―千頭駅間の一部区間の運休が続いています。
今年10月1日に家山駅―川根温泉笹間渡駅の区間が開通しましたが、千頭駅までの復旧の先行きは不明のままです。
再来年の2025年3月に100周年を迎える大井川鐵道の、「大井川流域の笑顔のために、走り続ける」その思いをティーライフも地元企業として、売り上げの一部を寄付して少しでも復旧支援をしたいと考えています。
今回、大井川鐵道の経営企画室(広報担当)次長 山本豊福さんに復旧、および100周年を迎えるにあたって、その想いをティーライフ通信編集部の森重がうかがってきました。
ティーライフ通信
-
千頭駅から井川線に乗り換えて、奥大井湖上駅にも行きました。
-
金谷駅から千頭駅までの道中を動画でも配信。家山駅から先の大井川沿いの風景も見ることができます。
森重金谷といえばお茶とSLのまち。私たちも何か応援したいと思い、企画を立ち上げました。本社ではお昼どきになると汽笛が聞えるんです。
山本さんお昼の合図みたいですね。被災後、皆さんからの応援をいただくたびに、大井川鐵道が生活の一部になっていたんだと感じています。
森重それが昨年の台風で被災され、一時は全線不通になりました。被災の様子を教えていただけますか。
山本さん33カ所にわたり、線路に土砂が被りました。土砂の撤去だけなら簡単なのですが、山からの土砂崩れなので、斜面の土砂崩れを予防する工事も必要です。また、工事をする際は雑木林であっても所有者の確認をしなくてはなりません。やらなくてはならないことが山積みです。
森重それでも今年の10月1日には川根温泉笹間渡駅まで復旧の予定です。
山本さんここまでは被害が少なく、その先の被害が甚大です。復旧の費用も私たちの試算で19億円。行政の力も必要になってきます。そのため多くの皆さんが署名活動をしてくれています。
森重大井川周辺の観光情報を発信する『大井川で逢いましょう』からも署名サイトにアクセスできますよね。7月24日時点で約6,300あまりの署名が集まっていました。
全線復旧署名ページはこちら≫(公式サイトに移動します)
山本さんありがたいことです。私たちもできることをと、全線不通の時は新金谷駅でお客様に列車の運転体験のイベントを行い、家山駅まで開通した時は、きかんしゃトーマス号やSLを走行させました。今年の夏は車内でビールを楽しむビール列車を企画して大好評でした。
森重復旧に向けてチャレンジされていますが、山本さんの今後の目標はなんでしょうか。
山本さん私の目標は全通です。新潟・福島豪雨で被災した只見線は復旧に11年、熊本地震で全線運休になった南阿蘇鉄道も7年かかっています。私たちの復旧もある程度の時間がかかるものと思っています。10月に川根温泉笹間渡まで開通して、2駅でも不通区間が短くなれば、全通に向かう第一歩。列車が大井川を渡るのが1年ぶりです。あゆみは遅いかもしれないけれど、確実に進んでいる。2025年に創立100年を迎えますが、皆さんの応援とともに知恵と勇気で乗り越え1日1日と積み重ねたいと思います。
日々、心を込めて整備しています。
皆様からの暖かい応援に日々感謝です。
森重ありがとうございました。
全通に向けて応援します。これからも復旧の様子を紹介していきます。
大井川鐵道の復興を応援するため、『心願成就お守り幸券』付き商品をご用意しました。「幸券(こうけん)」は、硬い厚紙でできた乗車券の “硬券” 切符にかけています。大井川鐵道で発券している乗車券も硬券切符です。