髪の毛を洗ったとき指にごっそり抜け毛がついたり、枕元に抜け毛が落ちていたり、女性の方は経験あるのではないでしょうか?
実は、「抜け毛」は「女性ホルモン」が乱れるからなのだとか。
今回は、「女性ホルモンとヘアサイクルの関係」の観点から「抜け毛の予防と対策」を見ていきましょう。

女性ホルモンを知る

女性ホルモンは2種類ありどちらも、脳から指令をされ卵巣で分泌されます。
まず一つが「エストロゲン(卵胞ホルモン)」
子宮に作用して、女性らしい体を作る働きをします。
生涯の分泌量はティースプーン一杯とごくわずかですが、女性の様々な症状に影響をもたらすホルモンです。
思春期から分泌量が増え、30代がピークになり更年期になると減少してしまいます。

2つめが「プロゲステロン(黄体ホルモン)」
妊娠を助け赤ちゃんが育ちやすいように子宮内膜を整える働きがあります。
ただし妊娠していない場合、分泌量は減ります。

この2種類があり、約1か月間分泌が変動しながら、脳と卵巣が連携することで、バランスを保っています。
特に「エストロゲン」が髪の成長を助ける仕組みをして、活発に分泌されることで、髪の毛はハリやコシのある健康的な状態を保っています。

どうやって髪の毛は生えるの?

そもそも、髪の成長は女性ホルモンとヘアサイクルが関係しています。
髪の毛は、今、生えている髪がずっと伸びているわけではありません。
1本の毛髪が、一定の期間経つと、生えて、成長しては自然に抜け落ちてというサイクルがあります。
これをヘアサイクルといいます。

「成長期(生える期間)」一般的に2~6年。髪の毛のおよそ80%~90%がこの成長期の段階。

「退行期(止まり移行する期間)」1~2週間。髪の毛の約1%がこの退行期の段階。

「休止期」(毛根が退化して抜ける直前までの期間)」3~4か月。
※休止期の状態は、髪全体のおよそ10%~20%占めています。

健康な状態でも、一日で50~100本抜け落ちます。
男性と女性ではヘアサイクルに違いがありますが、女性は平均的に4~6年でヘアサイクルが一周します。
そして、一生のうち15~30回程度ヘアサイクルを繰り返すそうです。

ライフステージによっておこる抜け毛

通常であれば規則的に繰り返すヘアサイクルですが、女性ホルモンは全身に作用しているので、女性のライフステージにおいて抜け毛が目立ってしまう時期があります。

1つは「産後の抜け毛」です。
産後の女性に現れる症状で、産前後の女性ホルモンの変化がヘアサイクルに影響するため引き起ります。 
個人差はありますが、およそ産後2~3か月ごろから抜け毛が始まり、産後6か月ごろに抜け毛のピークが来ることが多いようです。
なぜそうなるかというと、妊娠中は、赤ちゃんが元気に育つように、女性ホルモンが活発になり、脱毛しにくい状態になります。
これは、ヘアサイクルの内の、「退行期」と「休止期」が移行しなくなるためです。
そのため、出産後、分泌量が妊娠前のレベルに戻ると、それまで「成長期」で維持されていた髪が、通常のサイクルに戻ります。
よって、妊娠中に抜け落ちなかった髪が、一気に抜け落ちてしまいます。
これらは、一時的なもので、個人差はありますが、授乳を終える頃に通常のサイクルに戻り、新たな髪の毛が生えてきます。

2つ目は「加齢による抜け毛」です。
女性ホルモンの分泌は個人差がありますが、44歳~55歳くらいの更年期にかけて、急激に減少します。
更年期には、女性ホルモンの分泌の影響で、抜け毛の他に、体に様々な症状が起こり始めます。
加齢による抜け毛の症状は、髪のヘアサイクルも乱れ、「成長期」に生える毛量が減少し、成長速度が遅くなり「休止期」が長くなるためと言われています。
この症状は加齢の他に遺伝の場合もあります。

予防・対処法

どのライフステージにおいても共通して、自分でできる予防と対処法を見ていきましょう。

●頭皮のマッサージで発毛に適した環境を。
頭は体の末端なので足と同様血が巡りにくい場所です。
血流が悪いと毛根に栄養が行かず抜け毛になります。ですから、頭皮をマッサージしての血流を良くしましょう。
その際には、アロマオイルを使うのがおススメです。自分の好みの香りやその症状に効果のあるアロマオイルを探して、マッサージやトリートメントでリラックスするのが効果的です。美容室でのヘッドスパもよいです。

●頭皮を清潔に。
まず、洗髪前にブラッシングをして頭皮や髪についた汚れを落としましょう。
また、自分の頭皮環境にあったシャンプーも使うことも大切です。
洗髪後は頭皮の細菌が繁殖しやすいので、そのままにせず、しっかり乾かしましょう。
美容師さんに頭皮を見てもらい、自分に適したシャンプーを聞いてみるのも良いでね。

●病院で診察を。
これまで紹介した症状は、ほんの一部です。
心配な時はぜひ、一人で抱え込まずに、皮膚科で診察してみてくださいね。

まとめ

抜け毛の原因は、一概に女性ホルモンの分泌の影響とは言い切れません。
他にも、食生活見直しや睡眠時間の確保など、生活習慣の見直しが必要な場合もあります。
自分の体と向き合いながら、無理のない程度に抜け毛予防や対策を取り入れて見てくださいね。