「氷出し緑茶」をご存じでしょうか?
お茶を冷やすときは、熱いお茶を冷ましてから氷を入れたり、冷蔵庫に入れたりしてから飲む人が多いでしょう。
その点、氷出し緑茶なら水出し以上に低温なので、冷やす手間をかけなくていい上、お茶本来の旨みや甘みをしっかりと楽しめます。
まだ氷出し緑茶を飲んだことがないという人は、一度試してみてはいかがでしょうか。
この記事では、氷出し緑茶の魅力や美味しい入れ方についてお伝えします。
【目次】
1. 氷出し緑茶の基礎知識
2. 氷出し緑茶に使う容器とは?
3. 氷出し緑茶の美味しい入れ方
4. 氷出しで、普段と一味違う緑茶の旨みを楽しもう
氷出し緑茶の基礎知識
氷出し緑茶には、どのような特徴があるのでしょうか。
熱いお湯で入れる一般的なお茶との違いを含めて説明します。
●氷出し緑茶とは?
氷出し緑茶とは、その名のとおり氷を使って抽出する緑茶のことです。
作り方は簡単で、ポットに茶葉と氷をいっぱいに入れたら、後は氷が溶けてしたたる滴の力でお茶が抽出されていくのを待つだけです。
冷たいお茶を入れる方法には水出しもありますが、氷出し緑茶は低温でじっくりと抽出されるため、水出しよりもさらに低い温度を保つことが可能です。
お湯で入れる場合に比べて、出来上がるまでに時間はかかるものの、低温で抽出することで、お茶本来の味と旨みを楽しめます。
氷出しでお茶を入れると、ほかの入れ方以上にお茶の旨みや甘みを感じられるでしょう。
氷出し緑茶に使う容器とは?
氷出し緑茶を入れるには、どのような容器が適しているのでしょうか。
氷出し緑茶に使われることの多い容器の特徴をご紹介します。
●水出し・氷出しポット
水出しや氷出し専用の容器は多数販売されています。
種類は主に二つで、ポットが一つのタイプと、コーヒーメーカーのように二つに分かれているものです。
ポットが一つのタイプを使う場合は、茶葉と氷を詰め、そのまま氷が溶けてお茶が抽出されるのを待ちます。
このタイプを使うメリットは、分離したポットよりも場所を取らない上、構造上、氷の冷気が抽出されたお茶に伝わりやすいため、冷えた状態を維持しやすいという点です。
ポットが二つに分離したタイプは、上部のポットに氷と茶葉をセットすると、下部のポットにお茶が抽出されていく仕組みで、ドリップ式のコーヒーメーカーのような見た目になっています。
茶葉をこしやすい点がメリットですが、氷とお茶が分離された状態になるため、下部のポットに抽出されたお茶がぬるくなりやすいというデメリットがあります。
分離型のポットを使用する場合は抽出後に冷蔵庫で冷やすようにしましょう。
ほかにも外出時に持参しやすい、氷出しにも水出しにも使えるボトルタイプの商品も販売されています。
好みや用途に合わせて、お気に入りの一品を探してみてはいかがでしょうか。
●急須
水出し専用の容器がない場合は、いつもお湯で入れる際に使っている急須を使って氷出し緑茶を入れることもできます。
急須の底に茶葉を入れ、上から氷を置いて溶け切るまで待ちましょう。
中が見えないため、時々フタを開けて抽出具合を確認しながら飲み頃になるまで抽出させてください。
氷がゆっくりと溶けるに従い、次第に鮮やかな緑色に染まっていく様子は、見た目が涼しげでとてもきれいです。
せっかくなら中身が見える透明なタイプを選んでみてはいかがでしょうか。
おもてなしのときに透明なガラスの急須を使うと、見た目がスマートで美しく、お客さまの目を惹きつけられるでしょう。
氷出し緑茶の美味しい入れ方
氷出し緑茶を美味しく入れる方法について説明します。
準備物が少なく、自宅にある茶葉やティーバッグを使って作れるので気軽に試してみてください。
●用意するもの
氷出し緑茶を入れるのに必要なものは、茶葉、冷水ポットか急須、氷の三つです。
茶葉は急須で熱いお茶を飲む際に使っている煎茶や玉露などで大丈夫です。
入れ方によって変わる味の違いをご賞味ください。
●氷出し緑茶の入れ方
まず、冷水ポットの底に茶葉を敷き詰めます。
目安は500~700mlのポットで茶葉が10g程度です。
氷水が行きわたりやすいように茶葉は底一面に広げて入れましょう。
次にポットがいっぱいになるまで氷を詰めていきます。
氷をセットしたらフタをして、そのまま3~5時間ほど常温で置き、氷が完全に溶け切るまで待ちます。
氷が溶けたら容器を軽く振って混ぜ、茶葉をこしてグラスに注ぎます。
なお、茶葉の用意がない場合はティーバッグを使って作ることも可能です。
●氷出し緑茶を入れる際に気をつけたいこと
氷出し緑茶を入れるには、3~5時間にわたり常温でじっくりと抽出されるのを待つ必要があります。
常温に置かず冷蔵庫に入れて作る方法もありますが、低温の冷蔵庫の中では抽出にさらに時間がかかるため、その場合は前日から準備しておくと良いでしょう。
氷出し緑茶はどの作り方でも、一定の抽出時間が必要なため、用意したい時間から逆算して早めにセットしておく必要があります。
来客時に提供したい場合は、前日からあらかじめ準備しておくと安心です。
また、一煎目に比べると香りや旨みは落ちますが、残った茶葉を使って二煎目を入れても大丈夫です。
ただし二煎目を入れるときは、一煎目よりも抽出時間を短めにしましょう。
なお、氷出し緑茶は日持ちしにくいため、飲み残したら冷蔵庫で保管し、一日以内に飲み切ることがポイントです。
残った茶殻にも、さまざまな活用法があります。
食事では、佃煮や梅干しなどと和え物にしたり、炊き込みご飯にしたりする方法があります。
また、茶殻を出汁パックに入れたものをキッチン用のスポンジ代わりにすることもできます。
不要な茶殻の活用方法を考えることも、お茶の楽しみ方かもしれません。
氷出しで、普段と一味違う緑茶の旨みを楽しもう
氷出し緑茶には、急須で入れる熱いお茶とは異なる美味しさがあります。
熱いお茶ならではの渋みも味わい深いものですが、茶葉本来の旨み、甘みを最大限に味わえるのが氷出しの魅力です。
抽出に時間はかかるものの、セットは手間いらずで簡単に行えます。
暑い夏場は特に、来客へのおもてなしに冷えたお茶は喜ばれるでしょう。
じっくりと抽出した氷出し緑茶に氷をひとかけら浮かべてお出しして、風流なひとときをお楽しみください。