印象を決める! 新習慣

新生活がはじまる4月になると初めて会う方が多くなり、また薄着になっていくので、体型や肌質などの見た目がより一層気になるようになってきますね。
若い頃は何を食べても太らない体質だったのに、今は何を食べても太る体質になってしまった。
食べる量は変わらないのに、いつの間にか脂肪がお腹や背中についてボディラインもどことなくしまりがなくなってきた……なぜこのようなことが起こるのでしょうか?

歳とともに太りやすくなるのは、筋肉量や基礎代謝量が若い時に比べて減少することなどが原因ですが、ホルモンの分泌の変化もひとつの原因です。
ホルモンはわれわれが健康を維持していく上で、重要な働きを果たしています。
このホルモン分泌の変化が体型や肌質などの見た目に大きな影響を与えています。

今回はホルモンの話を中心に見た目のアンチエイジングの話をしようと思います。

体型や肌質に関係するホルモン

●インスリン
インスリンは膵臓から分泌されるホルモンで、臓器に血糖をとり込んでエネルギーとして利用したり蓄えたり、さらにタンパク質の合成や細胞の増殖を促す働きがあります。
余分な血糖はこのインスリンの働きによって脂肪に変わって貯めこまれます。
また甘いものを空腹時に摂取するなどして、急激に血糖値が上がる血糖スパイクという状態が何度も続くと徐々にインスリンが効きづらくなり、糖尿病になる可能性も出てきます。

●レプチン
レプチンは、脂肪細胞から分泌されて脳の視床下部に「満腹になりました」という指令を送って食欲を低下させます。
しかし体脂肪が多い状態が続くと、この指令に反応しにくくなると言われています。
かくして、満腹中枢はいつまでも満足せず、食べ続けてさらに体脂肪が増えるという悪循環に陥ってしまいます。
また最近の研究でレプチンは睡眠時間が短いと分泌が減少することもわかってきました。

●グレリン
グレリンはレプチンとは逆に食欲を増進するホルモンです。胃から分泌されるホルモンで、本来は空腹で体内のエネルギーが不足しがちなときに分泌されます。脳の視床下部にある食欲中枢が刺激されて、食欲が増します。レプチンとは逆に睡眠時間が短いと分泌が増加します。

●成長ホルモン
成長ホルモンには、成長期の子どもの身長を伸ばし、成熟した身体を作る働きがありますが、大人になっても、全ての器官や組織の発達・維持に重要です。
骨格や筋肉を発達させたり、脂肪を分解したり、健全な新陳代謝を促し、全身の細胞修復に関わります。
骨や筋肉だけでなく肌の新陳代謝を促し、肌質の維持・回復にとても大切なホルモンです。

ホルモン分泌を味方につけるコツ

●ゆっくりよく噛んで食べる
レプチンは食事を食べ始めてから20~30分すると分泌されはじめます。
また、血糖もゆっくり上昇することからインスリンも少量ですみます。
逆に早食いをすると満腹感を得られる前にたくさん食べてしまい、インスリンも大量に必要になります。

●食べる順番が大切
野菜・海藻→肉・魚→炭水化物という順番で食べると血糖値が急激に上がりませんが、逆に空腹時に甘いジュースなどを摂取すると一気に血糖値が上昇し、大量のインスリンが分泌されます。
これを繰り返すとインスリンが効きづらくなる状態になって、肥満や糖尿病のリスクが増大します。

●運動をしましょう
運動をして筋肉量が増え、体脂肪が下がると平時の血中レプチン濃度が下がることが分かっています。
そうすると食事をした際に分泌されるレプチンが効きやすくなり、食欲抑制の効果が大きくなります。
また筋肉量を増やすことで、余分な血糖をエネルギーとして使用しやすくなります。

●睡眠時間をしっかり確保しましょう
睡眠時間が短くなると、レプチン(食欲抑制ホルモン)が低下して、グレリン(食欲増進ホルモン)が増加します。
また「肌は夜作られる」と言われるくらい、肌質に大いに関係する成長ホルモンも睡眠中に最も多く分泌されます。
これまでの研究から睡眠時間が7~8時間の人がもっとも肥満度が低く、それより多くなっても少なくなっても肥満度が高くなることがわかっていますから、体型と肌質維持には睡眠はとても大切です。