ルイボスの栽培は一筋縄ではいきません。
世界中で南アフリカでしか栽培が成功していないように、その気温、地温、降水量、土壌といったあらゆる自然環境が発芽条件に左右し、人の手でできる事がとても限られているためです。
とは言え、そのような環境下でも高品質なルイボスが生育するように、農家さんの研究は終わりを迎えることがありません。今回はそんなルイボスの栽培の様子をご紹介いたします。
ルイボスの栽培は、3月頃から苗床に種を植えるところから始まります。地中深くまで根を張るたくましいイメージのルイボスですが、その種はなんと米粒程の大きさしかありません。
栽培をする上で最も難しい点が、この種を苗床で発芽させてから、畑に移し替えるまでの過程です。
ルイボスは特定の気候と土壌環境でしか成長しないため、人の手で出来ることはとても限られているからです。そのため、農家さんはルイボスが順調に成長できるよう、苗床の土壌の準備を入念に行います。
また、農薬や化学肥料に頼ることができない「オーガニック栽培」では、さらに困難を極めます。農家さんは雑草や昆虫を防除するために、常に新しい方法を模索し取り組んでいます。
特殊な自然環境に適応した種は、1週間ほどで芽を出します。種植えは3月~8月頃にかけて行い、6月から9月頃にかけて芽が出た苗を畑へと移し替える作業が続きます。
この作業は、細心の注意を要する繊細な工程です。そのため、植え替えの作業はなんとほぼ手作業で行われます。トラクターに乗った農家さんが、苗を1つひとつ丁寧に植え替えていくのです。
ルイボスの苗は、1年半程で1m近くまで育ちます。乾燥が厳しく、強い紫外線が降り注ぐ南アフリカの特殊な自然環境の中で、ルイボスがたくましく育つのは、私たちの想像以上に凄いことなのだと感じます。